準2級文法 (4) 受動態

英検準2級レベル

受動態について

受動態とは

受動態とは、「動作を受ける側」を主語にして表現する文の形です。
通常、英語の文は 「誰が(主語) → 何を(目的語) → どうする(動詞)」 の順番ですが、受動態では 「何が(主語) → どうされる(動詞)」 という形になります。

(1)受動態の基本形

be動詞 + 過去分詞

  • 現在形:is / am / are + 過去分詞
  • 過去形:was / were + 過去分詞
  • 未来形:will be + 過去分詞
  • 完了形:have / has / had been + 過去分詞
  • 進行形:is / was / will be being + 過去分詞(ただし、あまり使われない)

受動態の基本例(能動態 ⇔ 受動態)

能動態(Active)受動態(Passive)
The teacher teaches English.(先生は英語を教える。)English is taught by the teacher.(英語は先生によって教えられる。)
They built this house in 2000.(彼らはこの家を2000年に建てた。)This house was built in 2000.(この家は2000年に建てられた。)
She will write a letter.(彼女は手紙を書くつもりだ。)A letter will be written (by her).(手紙は書かれるだろう。)

「by + 動作主」 をつけることで、「誰によって」が分かるが、省略することも多い。

受動態の時制ごとの変化

時制能動態受動態
現在形He writes a book.A book is written by him.
過去形He wrote a book.A book was written by him.
未来形He will write a book.A book will be written by him.
現在完了He has written a book.A book has been written by him.
過去完了He had written a book.A book had been written by him.
未来完了He will have written a book.A book will have been written by him.

受動態を使う理由

  1. 動作の受け手を強調したいとき
    • A new hospital was built last year.
      (新しい病院が昨年建てられた。)
      「誰が建てたか」より「病院が建てられたこと」が重要。
  2. 動作主が不明または不要なとき
    • My bike was stolen.
      (私の自転車が盗まれた。)
      「誰が盗んだか分からない」場合に便利。
  3. 客観的な表現をしたいとき
    • It is said that he is a great scientist.
      (彼は偉大な科学者だと言われている。)
      一般的な意見や伝聞を表現するときに使う。

受動態にできない文(自動詞は受動態にならない)

動作の対象(目的語)を持たない 「自動詞」 は受動態にできません。

) He sleeps. → (受動態にできない)
)She goes to school. → (受動態にできない)

*ただし、「前置詞+自動詞」 の形で受動態になることもある。
  The problem was dealt with.その問題は対処された。)

重要な受動態の表現

  1. It is said that ~(~と言われている)
    • It is said that he is rich.(彼は裕福だと言われている。)
  2. be known to ~(~に知られている)
    • He is known to everyone.(彼はみんなに知られている。)
  3. be made of / be made from(~で作られている)
    • This table is made of wood.(このテーブルは木で作られている。)
    • Wine is made from grapes.(ワインはブドウから作られている。)

(2)受動態で「by」以外の前置詞を用いる場合

通常、受動態では「by + 動作主(行為者)」を使いますが、動作の種類によっては「by」以外の前置詞を使うことがあります
ここでは、特に重要なケースを紹介します。

「with」:手段・道具を表す

「~によって(手段・道具)」 を表す場合、「by」ではなく「with」 を使います。

例文

  • The door was opened with a key.
    (ドアは鍵で開けられた。)
  • The cake was cut with a knife.
    (ケーキはナイフで切られた。)

ポイント

  • 「by」は「行為者(誰が)」を表すが、「with」は「道具や材料(何で)」を表す。
  • 「~で作られている」の場合も「with」や「of」を使うことがある。

「in」:状態・状況を表す

~の状態で」という意味で受動態に使われることがあります。

例文

  • He was dressed in a black suit.
    (彼は黒いスーツを着ていた。)
  • The room was decorated in blue.
    (その部屋は青で装飾されていた。)

ポイント

  • 「be dressed in ~」= 「~を着ている(着せられている)」 のように、特定の表現でよく使われる。

「at」:感情・反応を表す

受動態で「at」を使うと、「~に対して(感情や反応を示す)」という意味になります。

例文

  • He was shocked at the accident.
    (彼はその事故にショックを受けた。)
  • I was disappointed at his attitude.
    (私は彼の態度にがっかりした。)

ポイント

  • 「be surprised at ~」「be shocked at ~」「be disappointed at ~」 など、感情を表す表現でよく使われる。

「to」:対象・影響を表す

~に対して(影響を受ける対象)」という意味で受動態に使われることがあります。

例文

  • The rule was known to all students.
    (そのルールはすべての生徒に知られていた。)
  • Her name is well known to the public.
    (彼女の名前は世間に広く知られている。)

ポイント

  • 「be known to ~(~に知られている)」 の形は頻出。

「for」:理由・評価を表す

~の理由で / ~として」という意味で受動態に使われることがあります。

例文

  • He is respected for his kindness.
    (彼は親切さで尊敬されている。)
  • This book is famous for its unique story.
    (この本はユニークなストーリーで有名だ。)

ポイント

  • 「be known for ~(~で知られている)」「be known to ~(~に知られている)」 の意味の違い
    • known for → 何で知られているか
    • known to → 誰に知られているか

練習問題をやってみましょう。

次の①~③の文の(   )にあてはまる語句を答えましょう。

*一つの(   )には一つの単語が入ります。

① The story(    )(     )(   ) him.

 (その物語は彼によって書かれました。)

② I (  )(       )(   ) English.

 (私は英語に興味があります。)

③ The painting (  )(      )(    ) cloth.

 (その絵は布で覆われていました。)

解答

① The story (was)( written)( by) him

② I (am)( interested)( in) English.

③ The painting (was)( covered)( with) cloth.

今回はここまでです。それではまた次回。

(広告)

タイトルとURLをコピーしました